正直に言うと、まずカルダンが生きていたことにびっくりした。そして現在、世界110ヶ国でライセンス・ビジネスを展開している“カルダン帝国”は70周年を迎えるが、巨大コングロマリットとは距離を置き、新陳代謝の激しいファッション界で今も自ら采配を振るっているピエール・カルダンの超クリエイティブな人生を1本の映画にまとめた『ライフ・イズ・カラフル！　未来をデザインする男　ピエール・カルダン』のおもしろさは予想をはるかに超えていた。 先鋭的すぎてファッション業界から敬遠された苦悩と反撃をベースに、これまでドキュメンタリーや伝記のオファーを断り続けてきたカルダンが、観た後に「すべて真実だ！」と監督にメッセージを送ったのも納得。97歳のカルダンの姿を目にした時は思わず胸が熱くなった。

20/9/28(月)