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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

歌舞伎座四月大歌舞伎

【第二部】 二、『団子売』 4月の歌舞伎座第二部『絵本太功記』十段目「尼ケ崎閑居の場」、通称「太十」。本能寺で謀反を起こした武智光秀(明智光秀)に対し、四国攻めから戻った真柴久吉(羽柴秀吉)の軍も近づいてくる。そんな中、光秀とは絶縁している母皐月と妻操は、息子十次郎の初陣に伴い許嫁の初菊と結婚させて十次郎を送り出す。そこへ凄みを漂わせて登場する光秀。この迫力のある出と、十次郎と皐月の死を前にしての大泣き(大落し)が大きな見どころとなる。 「平成17年に国立劇場で通し上演される際、成田屋さん(十二代目市川團十郎)がお勤めになることになっていましたが、病を発症され、その代役として勤めたのが最初です。その時に”光秀はいろいろなことを考えず、とにかく大きく武将らしく勤める役”だと教わりました。出の『現れ出でたる』というところ一つとっても先人が工夫を重ねていて、いろいろな演りかたが残っております」と芝翫さん。 実悪の典型とされる光秀役。顔をなるべく大きくみせるよう、鬘(かつら)の台金にも工夫がされているという。また実悪ならではの青い隈取も、通常と異なり、先に地肌に青黛で輪郭をとりその上に白粉を塗るのだとも。「汗などで次第に自然に淡く蒼さが滲み、いっそう凄みが増して見えるんです」。隅々に至るまで先人たちの工夫が重ねられている。 また大落としについても、「武将らしい大きさが大事。一つの悲しみだけではないんですね。自分のしたことが正しかったかどうか、また母と息子を亡くしてしまった悲しみ。すべてが重なっている。実際に涙をこぼすわけではないですが、役から気持ちが一瞬でも離れたら、あっという間にお客様に伝わってしまいます。逆に耐え忍ぶ難しさがありますね」と力を込めて語る。 「光秀を勤めるときは、こしらえをしたら、早めに本舞台の屋台の後ろに行って、出までずっと座って待っているようにしています。その段階から作っていかないとできないお役です」。

21/3/25(木)

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