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NO MUSEUM, NO LIFE.

鈴木 芳雄

編集者/美術ジャーナリスト

【2月27日で閉幕】ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター

ウジェーヌ・アジェはパリの絵描きたちに風景画の材料となる写真を提供していた。亡くなる2年ほど前にマン・レイのアシスタントだった写真家ベレニス・アボットに「発見」された。失われたパリが彼の写真にあったからだ。素人画家ジャック=アンリ・ラルティーグの写真はMoMAの写真キュレーターだったジョン・シャーカフスキーに「発見」された。写真の歴史はそのような発見に満ちている。ソール・ライターは1950年代から売れっ子のファッションフォトグラファーだった。その一方で洒脱なスナップショットを撮っていたが、彼もまた目指していたのは画家だった。写真は絵画にとって脅威ではあったが、絵画のように評価されるまでにはまだ少し時間が必要だった。今われわれは彼らの芸術をあらためて「発見」する喜びを得ている。

20/1/31(金)

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