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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

ストックホルム・ケース

冒頭に「普通じゃ考えられないが、事実に基づく物語」という字幕が出てくるが、成程、確かにそうだった。〈ストックホルム症候群〉とは、誘拐事件や監禁事件などの被害者が、加害者である犯人と長い時間を共にすることにより好意的な感情を持つことだそうで、私もロバート・バドロー監督と同様に、74年のパトリシア・ハースト誘拐事件が発端かと思っていたが、実はこの映画で描かれた73年のスウェーデンの銀行強盗事件が、そもそもの起源だったとは。 強盗ラース(イーサン・ホーク)、銀行員のビアンカ(ノオミ・ラパス)、そして共犯者グンナー(マーク・ストロング)、この3人の対照的なキャラクターを、事実に即して描くことで、不可思議な事件の顛末が納得できる仕掛けになっている。劇中で効果的に使われるボブ・ディランの歌の数々が、70年代の時代色を鮮やかに提示している。

20/11/4(水)

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