バレリーナへの夢を抱く少女がいる。夢の実現には苦労と努力が必要だが、15才の美少女ララ（ビクトール・ポルスター）にはもう一つ難関が待ち構える。彼女は男の肉体を持って生まれてきたため女の肉体になろうと病院に通って準備を重ねて手術に備えているのだ。トランスジェンダーの少女のなりたい自分になるための努力と苦労が積み重ねられる姿を追うドラマは、バレリーナとしては恵まれても性の違いでイジメられ、それでも決して目的を見失わない少女の一途な生き方を丁寧に描いてふしぎな感動を呼び起こす。これが監督デビュー作だというルーカス・ドンは、娘を溺愛する父親の不安が娘にはうとましくもある様子も描くことで深みを加えている。

19/7/1(月)