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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。

春日 太一

映画史・時代劇研究家

カポネ

マフィアのボスとして君臨したアル・カポネの晩年を描いた作品。 宣伝のイメージからすると、『アンタッチャブル』の時のイメージ=全盛期の『暗黒街の帝王』を連想する感じだ。 が、実際に観てみると、それとは全く異なる姿が描かれている。 豪邸に暮らしてはいるのだが、生活苦のために様々な調度品は売らなければならないし、記憶も衰える一方。時には糞尿を漏らしてしまう。 それでも当人は往時の意識のままなため、“帝王”としての態度のまま。そのことが、現状の弱々しさをより引き立てている。 そんなアル・カポネをトム・ハーディが大熱演。言われなければそれがトム・ハーディだと気づかないほどの化けっぷりで、情けなく老いさらばえたアル・カポネの姿を見事に演じきっている。 かつての片腕役のマット・ディロンがいい具合に娑婆っ気を出しているのも好対照で、よりカポネの惨めな状況を際立たせていた。

21/2/25(木)

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