世界には未だまともに教育を受けられない子供たちが大勢いる。とくにアフリカやアジアなどの地域や開発途上国の子供たちが多いようだが、80年以上前の時代なら、未就学の子供たちが膨大な数にのぼることは想像に難くない。そんな時代に学校に行けなかったケニアの村に暮らす94歳のゴゴ（カレンジン語で「おばあちゃん」という意味）がひ孫と一緒に小学校で勉強する姿を描いたドキュメンタリーだ。子供たちと一緒に寄宿舎で寝起きし、遠足に行き、卒業試験に悩む姿は、何とも微笑ましい。そんなゴゴの姿はきわめて自然体であり、監督たちとの信頼関係が浮かび上がる。一見するとのどかな風景で勉強に励むゴゴであるが、その素朴な姿が背負う歴史を通して、教育の大切さが改めて思い知らされる。

20/12/24(木)