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インディペンデント、自主映画、ドキュメンタリー、映画祭、特集上映などを中心に

水上 賢治

映画ライター

山中静夫氏の尊厳死

“尊厳死”がテーマにあると、どうしても“安楽死”をめぐる物語なのではないかとついイメージしがちではないだろうか? 断っておくと、本作はあくまで“尊厳死”についての物語で、ひとりの人間が死を迎えるまでというより、ひとりの人間が最後まで生をまっとうする物語といったほうが適当のような気がする。 3カ月の余命宣告を受ける主人公の山中静夫は、残された時間でたとえばやりたいことをリストアップしてクリアしていくような、たとえば長年の大きな夢を叶えるような、そんな大それたことはしない。そのかわり自分の心からの望みだけを果たそうとする。 でもこのささやかな望みさえも、日本の現在の医療や家族の在り方ではなかなか叶えることが難しいことが本作からは見えてくる。実はこのことこそが実は重要な本作の隠されたテーマといってもいいかもしれない。

20/2/12(水)

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