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植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

出櫃(カミングアウト)―中国 LGBTの叫び

タイトルの「出櫃」(日本語読み=しゅっぴつ)とは、中国語で〈カミングアウト〉を意味する造語で、中国のLGBTQ界隈ではよく使われているという。東京ドキュメンタリー映画祭2019の短編部門でグランプリを受賞した本作は、親と向き合う中国のゲイとレズビアンの男女に密着したドキュメンタリー。 中国に7000万人いると推定される性的マイノリティのひとり、中国・江蘇省で教員資格の認定試験を控える谷超(グーチャオ)は、父親に「自分はゲイだ」と告白しようと一大決心をする。一方、上海に暮らす安安(アンアン)は19歳の時に母親にレズビアンであることをカミングアウトしたが、受け入れられないまま32歳に。性的マイノリティを支援するボランティアの助けを得て、改めて母親と話し合い受け入れてもらおうとする。 旧い社会通念に支配されている旧世代の親とその壁を乗り越えようとする子供の葛藤がスリリングに描かれる。だが日本人の眼には〈親子〉の距離の近さにまず驚かされる。カメラを前に躊躇しつつも淀みなく〈ゲイ〉を告白する谷超。同じく母親に泣いて〈レズビアン〉を認めてほしいと訴える安安。ともに勇気ある訴えだが、その距離感が“大人対大人”ではなく“若い親対幼児”の対し方という印象なのだ。改めて儒教の呪縛力の強さを痛感させられると同時に、果たして中国が新しい価値観を受け入れる日がくるのだろうか、という危惧感をいだく。 監督は、中国出身で早稲田大学ジャーナリズム大学院卒業。日本で映像製作の道に進み、テレビドキュメンタリーなどを手がける『あこがれの空の下 ~教科書のない小学校の一年~』の房満満(ファン・マンマン)。

21/1/22(金)

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