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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

透明人間

「透明人間になったら、カワイ子ちゃんの裸も見放題♪」なんて、男のロマンが語られたのも今は昔。本作の透明人間に不純な動機は一切ない。むしろ純粋が一周回って、さらに行き過ぎちゃった、という感じ。もちろんそれはそれで問題アリまくりだ。 ドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男の三大怪人に次ぐ“ザ・トラディショナル・モンスター”の1人、「透明人間」。“SFの父”H・G・ウェルズによる1897年の小説に描かれる怪人だ。本作はその小説を下地に、1933年に公開された映画『透明人間』を現代風にリブートしたSFサスペンス。原作を読んでいなくとも誰もが知っている怪物だが、これまでの想像しうる“透明人間あるある”をなるべく控え、古典でありながらも新鮮さを感じる演出が随所に見られる。 本作の一番の功績は “気配”をスクリーンに映し出したことかもしれない。ヒロイン目線、透明人間目線はもちろんだが、特筆したいのは神の目線だ。画面は時折スーッと登場人物たちから移動して、何もいない空間を映す──いる。 誰にも見えてはいないが(観客はもちろんヒロインたちにも)、カメラは確実に透明人間を映している。ハッ……ねぇもしかして、そこにいますよね?

20/7/10(金)

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