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水先案内人のおすすめ

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文学、美術、音楽など、映画とさまざまな構成要素に注目

高崎 俊夫

1954年生まれ フリー編集者、映画評論家

THE INFORMER/三秒間の死角

『ゴーン・ガール』のラストシーンの謎めいた微笑を見て以来、ロザムンド・パイクという女優は不敵なファム・ファタール、〈裏切る女〉のイメージがトラウマのように脳裏に張り付いてしまって離れない。今年は『荒野の誓い』『プライベート・ウォー』と彼女の主演した胸を打つ秀作が続くが、本作は久々に冷酷極まりないFBI捜査官ウィルコックスを演じてその真骨頂がたっぷりと味わえる。彼女は、自由の身と引き換えに、FBIの情報屋となったピート(ジョエル・キナマン)を使って潜入先のマフィアのボスを麻薬取引現場で一網打尽にする計画を立てる。だが、致命的なミスが起こって作戦が失敗するや、上司の命を受けて、あっさりとピートを切り捨ててしまう。この決断する瞬間の彼女の平然とした表情が実に恐ろしい。FBIとマフィア双方から追われる羽目になったピートを次々と襲う不条理な展開が抜群に面白く、真綿で締め付けられるような恐怖感の醸成が冴えわたっている。妻子を人質に取られ、やむなくボスの指示で刑務所に舞い戻ったピートの死と隣り合わせの孤独な闘いと、あまりに優柔不断なロザムンド・パイクの葛藤の鮮やかな対比がこの映画の最大の見所であろう。

19/11/27(水)

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