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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

幸福路のチー

アニメって、ありったけ自由で良いんですよね。現実から非現実へと飛び込んで、そこから自分の心と向き合うことへと誘う魔法の映画、それこそアニメーションの醍醐味だと思っています。コロコロと変化する姿形を楽しみながら、いつの間にか自分ごとになっていくストーリー。時に、時代や社会のうねりを織り交ぜながら、私たちが気づかなかった大事なことを教えてれるアニメーションの力。 今作には、その全てが詰まっていて、まさに人生という、心次第で変幻自在の人間が体験するアドベンチャーを綴っていたのであります。 それは、想像を遥かに飛び越え、まるでトラウマの解消法のように、子供の自分が、悩んで立ち止まっている大人の自分を救うべく、あの頃悩んでいたことや勇気を出して立ち向かったときのことを思い出させてくれるというストーリー。 さらに柔らかでカラフルなタッチを用い、観客の心を解きほぐしていく魔法の処方箋。 そこには時代のうねりや、大人の悪戯な言葉に揉みくちゃにされながら、自分の未来を自分で切り開いていく少女の一生懸命な姿が映し出されていて、台湾を知らずとも自分の感情がどこかでリンクするのです。 国籍って何なのか? 女の子って何なのか? 親って何なのか? 家族って何なのか? 一人前ってなんなのか? 幸せってなんなのか? その全てをアニメーションで問う意味は、多くの人に固定概念を外して見てもらえるのが、アニメの力だと信じる作り手の思いもあるに違いないのです。 しかもヒロインの声を担当するのは『藍色夏恋』でかわいらしい姿で多くの人を魅了したグイ・ルンメイ。彼女が物語に惚れ込んで、魂を吹き込んだキャラクター、チーは、どこにでもいそうな等身大の女性そのものであります。 日本のアニメーションは素晴らしい、と言われていますが、こんなにも柔軟なアニメーションを生み出したソン・シンイン監督含むスタッフの才能に惚れ惚れし、世界の映画賞で賞賛されるのも大いに納得しながら、111分の記憶の迷路を楽しんでいました。

19/11/25(月)

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