戯曲、演出、詩、映画など、多岐にわたるメディアにおいて才能を発揮し、「言葉の錬金術師」という異名を持つ寺山修司。その芸術活動すべてに、力強く美しい言葉を武器に、想像を体現してみせた稀代の表現者だが、早い段階から言葉を視覚化することに強い関心を持ち、60年代から70年代当時の新進気鋭のイラストレーターやデザイナーと組んで魅力あるビジュアルを送り出してきた天才に、世代も作風も全く異なる作家17名が挑む興味深い展覧会が開催される。 参加するのは寺山の盟友として怒涛の時代を駆け抜けた宇野亜喜良や及川正通をはじめ、寺山が亡くなった後に生まれた次世代の作家たち。それぞれがテーマとなる言葉を選び、独自の解釈で作品を描いているので、ずばり『イラストレーターが挑む寺山修司の言葉』というタイトルになっているが、これは絶対に見逃せない。開催期間が10月16日から22日までと短いので要注意だ。

20/10/10(土)