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水先案内人のおすすめ

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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

ノマドランド

アメリカをどう撮っているのか。そんな事を考えながら映画を観る時がある。広大なこの国には、いろんな風景がある。ニューヨークのような大都会、美しいビーチが続く西海岸、山岳地帯、砂漠、大平原…。『ノマドランド』で描写されていたのは、西部の荒野や草原、美しい自然だ。カメラは、家を失い、キャンピングカーで移動しながら車上で暮らす人々を追う。いわゆる“現代のノマド(遊牧民)”たち。アメリカの新たな一面を見せられた気分になった。 企業の破綻で住み慣れたネバダ州の住居を出たファーン(フランシス・マクドーマンド)は、キャンピングカーに生活道具を積み、仕事先を転々とする季節労働者となる。夫は既に亡くなり、独り身だ。ただ、行く先々で同じように車上生活を送る老齢に達した多くの仲間と出会う。数々の交流を通して、ファーンは自身の人生を深く見つめる。 2度のアカデミー賞主演女優賞に輝くマクドーマンドの演技が胸を打つ。表情や仕草に、ファーンが抱える孤独や苦悩が色濃く浮かぶ。4月開催の第93回アカデミー賞で、本作は作品賞、監督賞、主演女優賞など6部門にノミネートされた。マクドーマンドは3度目の栄冠となるか。結果が楽しみだ。

21/3/21(日)

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