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三鷹市芸術文化センターで、演劇・落語・映画・狂言公演の企画運営に従事しています

森元 隆樹

(公財)三鷹市スポーツと文化財団 副主幹/演劇企画員

シアターグリーン学生芸術祭Vol.13

劇団を旗揚げした人たちが、当面の目標として、いつかはこの劇場で公演してみたいという思いを持つことはよくあると思うが、数多く思い浮かぶ候補となるであろう劇場の中で、その一つに上がるのがシアターグリーンであることは間違いない。私もきちんと存じ上げなかったが、シアターグリーンの沿革は実に半世紀に及んでおり、1968年(昭和43年)に同地にある仙行寺が、寺院の社会事業の一環として演劇活動の場を提供することを考え、新劇団の育成・日本人劇作家の新作品の発表・実験的演劇などを目的に掲げて、「池袋アートシアター」という名称のいわば手作りの劇場を始め、やがて1972年(昭和47年)に「シアターグリーン」に改称したとのこと(劇場HPより)。今一度記すが「寺院の社会事業の一環として演劇活動の場を提供することを考え、新劇団の育成・日本人劇作家の新作品の発表・実験的演劇などを目的に掲げて」50余年前に劇場を作ったというのは、ものすごいことだと思う。平成でも令和でもない。昭和の時代にこの理念で『劇場』を作り、演劇界に身を置く者なら知らない人はいない民間劇場として半世紀である。これだけで敬意を表さずにはいられない。ちなみに、シアターグリーンが現在の姿にリニューアルしたのは今から14年前の2005年(平成17年)9月である。もちろん、何度か足を運ばせていただき、それぞれの特徴を持った『BIG TREE THEATER』『BOX in BOX THEATER』『BASE THEATER』の3つの劇場で公演を拝見し、胸に残る公演も多い。 その、50余年の歴史を持ち、言葉だけ追いかけるなら老舗とも呼べるシアターグリーンが、劇場リニューアルの2年後、2007年(平成19年)から開催し続けている企画が「シアターグリーン学生演劇祭」であり、今回で13回目を迎える。 <<<>>> 今をときめく多くの劇団も、元を辿れば学生劇団だった時代があります。 無数に存在する学生劇団が内包する才能とエネルギーは計り知れません。 その才能を学内だけでなく、広く一般の方々に向けて発揮してほしい。 そうした思いから、シアターグリーン学生芸術祭はスタートしました。                            【劇場HPより】 <<<>>> 筆者の中で、リニューアル前のシアターグリーンの姿が、時に猛烈に懐かしくフラッシュバックするのは、今なおシアターグリーンが常に新しく、フレッシュで有り続けていることの、証左であろう。そして、そのフレッシュさの源とも言うべき「学生演劇祭」の過去の出演ラインナップには、現在も活躍を続ける劇団の名前が、数多く並んでいる。 今年もまた、新しい息吹の萌芽に大いに期待しつつ、公演を拝見したい。

19/7/26(金)

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