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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

浅田家!

キャストの顔ぶれの面白さだけでなく、写真家の浅田政志さんをはじめとするご家族はもちろんのこと、脚本自体が魅力的なのかもしれない。「普通ってなんなん?」という当たり前のことが実はできていない世の中で、“人と違うこと”をしたときに理解されづらいことや、個の魅力は他者が引き出すものだと教えてくる映画でした。 中野量太監督がデビュー時から描き続けているさまざまな家族の心を、写真家の政志の視点を通して綴っていった“家族とは”。自分の家族だけではない家族写真を撮り続け、やがて体験する東日本大震災のボランティア体験で気づかされるのは、ベタな言い方だけれど“人類全てが家族”ということなのかもしれない。 二宮和也氏や妻夫木聡氏、黒木華さん、菅田将暉氏など、ついアップで撮りたくなる画をあえて引きで撮り、その場所での会話をスクリーンに映し出すことで、町が人を育て、景色が人の心を動かすんだと深読みをしてしまうのは中野マジック以外の何者でもないのです。 そして政志演じる二宮和也氏の笑顔や涙一粒が、感情が動かされて溢れ出ているせいか、観る者の心まで動かすのです。

20/9/30(水)

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