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木谷 節子
アートライター
御即位記念特別展「正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」
19/10/14(月)~19/11/24(日)
東京国立博物館
10月22日に行われた「即位礼正殿の儀」を記念して、皇室が守り伝えてきた奈良・正倉院の至宝を公開する展覧会。メインとなるのは奈良時代、光明皇后が夫・聖武天皇の冥福を祈って東大寺の大仏に捧げた聖武天皇御遺愛の品で、先日から後期展示が始まった。シルクロードを渡ってきたお宝など、正倉院宝物に異国由来の品々が多いことは知られるが、今回興味深かったのは、管理や修復について特集した最後のセクション。正倉院では経年劣化で朽ち果てた宝物の塵芥まで残さずかき集めて分類し、修復などに有効利用するそうだ。焼失なども免れて、8世紀より宝物を伝え続けててきた正倉院。その奇跡の裏には、それを守り伝えてきた人々の努力や強い思いがあるのだと、しみじみと感じることだろう。
19/11/7(木)