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水先案内人のおすすめ

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テレビプロデューサー テレビは見ずに演劇、映画、コンサートばかり足を運んでいる

波多野 健

1954年生まれ プロデューサー(イースト・エンタテインメント)

ハウス・ジャック・ビルト

ラース・フォン・トリアー 監督最新作だが、この人の映画は時に、観ていて気持悪くなる。今回はそれの極致で、何回も途中でやめようかと思った。カンヌでも途中退場者が続出したという(残った人たちはスタンディング・オベーション)。アメリカでの公開は修正版しか許可されなかったらしいが日本では無修正完全ノーカット版が18禁で公開される。実際にいたアメリカの殺人鬼の話なのだが、何も知らずに観始めたのがいけなかった。グロいのグロくないの。でも、やめないで最後まで観たのは、何かがある感じがしたからで、最後まで観ると「これはもしかしたら、観るべき映画なのかもしれない」と思いはじめる。『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツが亡くなる直前の最後の作品として出演していて、悪魔の役かと思い「最後が悪魔かよ!」と思ったら、実は古代ローマの詩人のようだ。真ん中くらいまではとにかくグロさ満開、途中からちょっと哲学が入ってくる。最後のほうのセリフの中に「ドアーズ」の曲の一節が入っていたような気がするが、どうだろうか。心からのお薦めはしないが、見るなら最後まで観た方がいいと助言申しあげる。

19/6/10(月)

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