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水先案内人のおすすめ

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テレビプロデューサー テレビは見ずに演劇、映画、コンサートばかり足を運んでいる

波多野 健

1954年生まれ プロデューサー(イースト・エンタテインメント)

燃えよ剣

久しぶりに日本映画で“金をしっかりかけた、いい映画”というものに出会った。まずはロケーションがすごい。国宝級の寺社を含め60ヶ所ものロケ地で撮影されたという。さらに彦根に全長120メートルものオープンセットまで作ったというから、いったいいくらかかったのか。しかしそれだけのことはある。 画が素晴らしい。原田眞人監督は「日本の三大変革期を描きたい」と『日本のいちばん長い日』『関ヶ原』と作ってきてこれが3作目。主演の岡田准一さんは、岡田さんがMCを務めているNHKの『ザ・プロファイラー…』で土方歳三を取り上げた時に、「この役をいつかやるかもしれない」と思ったという(同番組に僕も演出で参加しております)。このふたりの思いが見事に作品に表れている。岡田さん自ら指導した殺陣もものすごくリアルで、いつものチャンバラでは全くない。さらに役者たちのセリフや表情も、原田監督の『突入せよ!『あさま山荘』事件』で見せたきれいごとではないドタバタのおかしさ、哀しさをうまく引き出している。これは世界に誇れる映画になったのではないだろうか。個人的には大好きな安井順平さんと村本大輔さんが長く使われていてうれしかった。かなり、お薦めです。

21/9/28(火)

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