最初はパッとしないホラーかと思いきや、徐々に勢いを伸ばしていきクライマックス以降は振り切れた映画となる、ありそうでないタイプの作品だ。ジェームズ・ガンが製作を務めているので、さすが手抜かりのない一本に仕上がっている。不妊症で悩んでいたトーリとカイルのブレイヤー夫妻の家の近所に、隕石らしきものが落下した。12年後、養子のブランドンを我が子のように愛する夫妻。学力のとびぬけたブランドンだが、そろそろ思春期に差し掛かり様々な好奇心を抱くようになってきて……。恐怖描写が70～80年代ホラーのアップグレード版といった印象で、怖いうえに堂々たる風格も感じる。ラストの演出は現代的で、丸く収めないトガッたストーリーに胸がすく。

19/11/11(月)