第二次大戦後のドイツを舞台に、解放されたユダヤ人たちの姿が描かれる。 解放されたといっても家や財産や家族を奪われ、多くはパレスチナを目指すことになった。が、そうしない人々もいた。 復讐。自分たちから全てを奪ったドイツ人に思い知らせようというのだ。 家族をナチスに奪われた主人公・マックスは、元ナチスやユダヤ人殲滅に協力したドイツ人たちを抹殺するユダヤ人部隊に参加、恨みを晴らしていく。 そして、さらに過激な思想を持つ集団に遭遇する。それは「全てのドイツ人は同罪」として虐殺されたユダヤ人の総数と同じ数のドイツ人を大量殺戮しようとするテロ組織。マックスはその計画の阻止を頼まれて潜入するが、やがて彼らに共鳴していく。 決して晴れない深い哀しみを背負わされた者たちにとって、真の復讐とは何か。そのことを本作は突きつけてくる。 マックスはさまざまに揺れ動きながら、最後にある結論に達する。それは、恨みや憎しみの連鎖の中に生きる現代人に向けての重要なメッセージでもあった。 それはどのようなものか、ぜひご確認いただきたい。

21/7/21(水)