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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
メイキング・オブ・モータウン
20/9/18(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷
テンプテーション、ダイアナ・ロス、スティーヴィー・ワンダーなどポップ・ミュージックは、1960年代の日本でも聞くことができたが、彼らがアフリカ系であることはあまり意識したことがなかったように思う。そんな彼らの音楽レーベルが「モータウン」であり、その「モータウン」の設立からの歴史を振り返ったドキュメンタリーである。創立者のベリー・ゴーディと同志のスモーキー・ロビンソンとの掛け合い漫才のような解説、自動車の組み立てラインから着想を得た経営体制、あるいはジャクソン5のデビュー当時のマイケル・ジャクソンの幼い姿もさることながら、テレビ出演さえ厳しかった当時のアフリカ系のミュージシャンが若者たちに受け入れられていくアメリカ社会の変化が透けて見えて面白い。
20/9/17(木)