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アートのみかた
村田 真
美術ジャーナリスト
第9回新鋭作家展〈ざらざらの実話〉
20/6/9(火)~20/8/30(日)
川口市立アートギャラリー・アトリア
川口市の歴史や産業に関連するテーマを設定したり、近隣住人を対象にワークショップを開くなど、地域との関わりを重視する公募展。選ばれたのは、遠藤夏香と木村剛士の2人。遠藤は住人たちから聞いたコメントを書き出し、手指で描いた巨大絵画を展示。木村は川口名物だった鋳物工場を内外反転させて展示室内に再現。学芸員や住人たちと1年がかりでつくりあげただけに、どちらも感動的、というほどではないけれど、丁寧につくり込んでいて好感が持てる。ただ新型コロナウイルス感染防止のため、ワークショップが中止になったり、会期が2カ月以上も延期を余儀なくされるなど、苦難の道だったようだ。それも含めて「ざらざらの実話」。
20/7/2(木)