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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

『007』は期待を裏切らない。シリーズ第25作で、6代目ジェームズ・ボンドを務めるダニエル・クレイグの最終章。スクリーンから全く目を逸らすことができないほどスケールの大きなアクションと見せ場の連続で2時間44分の長さを感じさせない傑作だ。 物語は前作『スペクター』の直後から動きだす。ボンドは、関係を深めた心理学者のマドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)と共にイタリア南部の小さな町にいた。愛を育む傍ら、ボンドは過去に区切りをつけるためにある墓地を訪れるが…。 クレイグ版ボンド過去4作が緻密に絡む構成がかつてない深みを与えている。ボンドの超人的な身体能力と知性を表現したダイナミックな場面が単に迫力を伝えるだけでなく胸に迫るのは、練り込まれた伏線の影響が大きい。 『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞に輝く撮影監督リヌス・サンドグレンの映像を意識してほしい。端正な構図、鮮やかな色彩を通じてボンドの雄姿が網膜に焼き付けられる。 ボンドがトンネル形状の施設内を進むシーンがある。シリーズの象徴でもあるガンバレル(銃身)シークエンスと思わず重なって見えた。ボンドの世界観が凝縮された点も魅力だ。『007』は決して期待を裏切らない。

21/10/2(土)

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