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ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

アマンダと僕

7歳のアマンダの澄んだ瞳が胸に突き刺さる。天真爛漫な笑顔から一転、癇癪を起こしたりと、そのときの感情に正直に振り子のように揺れる彼女を前に、子育てなどまだ考えたこともない青年ダヴィッドの、途方に暮れた顔があまりに切ない。突然テロで母親を亡くした幼い少女は、母の弟で24歳のダヴィッドしか頼る相手がいない。孤独なふたりにのしかかる現実の厳しさ。 2015年のパリの同時多発テロから監督が発想を得たという本作は、現代のパリの息吹を掬いとると共に、そこでよろめきながらも前に進もうとする人々を優しく見つめる。現実的なのに、こんな映画がいままであっただろうかと思わせるのは、この監督のアプローチがとても繊細で、温かく、人間愛に満ちているから。こういう映画を観ると、人に希望が持てて、ほっとさせられる。

19/6/23(日)

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