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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

『ドライビング・ミス・デイジー』

草笛光子と市村正親が初共演——。若者言葉なら「マジ!ウソ?」といった驚きだ。草笛にしても “市ちゃん” にしても百戦錬磨の舞台俳優だ。名演対決を想像しても早くも目がクラクラする。作品が『ドライビング・ミス・デイジー』。優秀なプロデューサーが知恵を絞り、スケジュールを調整して実現させたのに違いない。 これは人種差別、人生の黄昏時を迎えた女性の過去と余生を考えさせる名作である。草笛は72歳のユダヤ人の未亡人デイジー、その息子ブーリーが堀部圭亮、市村は黒人のお抱え運転手ホーク。2005年の民藝公演では奈良岡朋子、仲代達矢の共演だった。草笛85歳、市村70歳。演出の森新太郎はどのように、企業用語で言えばシャジー(相乗効果)を起こすのだろう。

19/6/15(土)

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