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水先案内人のおすすめ

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ダメな人が出てくる情けない話やバカげた映画を中心におススメ

村山 章

映画ライター

残された者-北の極地-

見事なまでに潔い。何が潔いって、説明じみたことがなんにもない。北極のどこかに遭難した男がいて、いかに苛酷なサバイバル生活を送っていて、そしてある事態が起きたことで、氷原を突っきる決死の旅に出る。男がどこから来て、どんな背景があって、どんな事情でそこにいるかはなんにも説明されない。ただただ、人間が、持てる限りの知恵と努力と折れそうな気持ちを必死に保つことで、生き続けようとする姿があるのみなのだ。 監督がブラジル出身の人気YouTuberであることも驚きだし、もともと火星でサバイバルするSF映画を作るつもりが、リドリー・スコットの『オデッセイ』の存在を知って設定を北極に変えたという出来過ぎた笑い話もにわかに信じがたいが、この映画のすべてのショットから放射されている演技と映像のエネルギーには脱帽するしかない。

19/11/5(火)

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