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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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音楽、映画、アート、ステージなど幅広いジャンルをプロデュースする

立川 直樹

1949年生まれ プロデューサー、ディレクター

おもかげ〈2019年〉

ほとんど何の予備知識もなく観た『おもかげ』の魅力というのは、中々言葉ではうまく形容できないものだ。ひと気のないフランスの海辺から「パパが戻ってこない」という電話を最後に失踪した6歳の息子を忘れられないまま、10年後にその海辺のレストランで働いていたエレナがある日、息子の面影を宿したフランス人の少年ジャンと出会って始まっていく小さな物語。 “スクリーン・インターナショナル”の評の助けを借りると「全編を通じて感情のリズムが、不安定かつ力強く、絶えず押したり引いたりを繰り返す。そのコントロールが秀逸」で、スペインの新鋭ロドリゴ・ソロゴイェンと長年タッグを組んでいる撮影のアレックス・デ・パブロが「エレガントなシングルテイクによって名シーンのムードを創りだしている」。 物語と映像に寄り添う音楽も秀逸で、定期的にインサートされるビーチの美しさと波の音に僕は完全に時間の感覚を奪われてしまった。エレナを演じるマルタ・ニエトも不思議な魅力を持っている。

20/10/21(水)

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