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水先案内人のおすすめ

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新進女優や新たな才能にフォーカスした作品を中心に紹介

イソガイマサト

フリーライター

レミニセンス

『メメント』『ダークナイト』『インターステラー』などの脚本を、兄のクリストファー・ノーラン監督と一緒に書いたジョナサン・ノーランが製作と共同脚本で参加。それを知って、俄然前のめりになった人は多いに違いない。しかも、“時間”や“空間”に異常な執着を見せる兄の作品を意識したかのように、こちらは“レミニセンス(記憶潜入)”がテーマ。ヒュー・ジャックマン演じる記憶に潜入するエージェントが、他人の記憶の中で凶悪事件のカギを握る謎の女性を追うストーリーラインに兄の映画を重ねて、勝手にワクワクした人も少なくないはずだ。だが、ジョナサンの妻で、TVシリーズ『ウエストワールド』で注目を集めたリサ・ジョイ監督が自らのオリジナル脚本を映画化した本作は、未来感覚が鮮烈だったクリストファーの作品とは真逆のレトロ・モダンなムードを徹底。記憶に潜入する機械からして古めかしいし、記憶の中の世界観なんてまるで往年のフィルム・ノワール(暗黒街の犯罪映画)のシブ~い趣き。そこがいい。主人公を惑わせる“ファムファタール(魔性の女)”の描写も絶妙で、とってもロマンチック! 同じジャンル映画の記憶を蘇らせる、リサとノーランの企みに気持ちよくハマってしまった。

21/9/17(金)

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