本当に久しぶりに、山本政志監督の映画を観たような気がする。勿論『聴かれた女』(07)や『水の声を聞く』(14)も大好きな映画だが、『てなもんやコネクション』(90)や『アトランタ・ブギ』(96)などの破天荒な山本作品を懐かしく思っていたファンにとっては待望の一作だろう。東京郊外の高台にある豪邸を舞台に、破産し、引越し直前の家族の娘が、ヤケクソ気分でTwitterに「今日、パーティをしましょう。誰でも歓迎」と地図付きツイートしたことから、インド人のゲイカップル、台湾からの観光客、酔っぱらいのOLなど次々とパーティ客がやって来る。ホームドラマにコメディ、SFX、ミュージカル、モンスター、ワイヤーアクションなど、あらゆる映画的要素が投入されて、阿鼻叫喚の宴になり、コロナ禍の現在でこそ観られるべき、山本節満載の怪作になった。

20/11/18(水)