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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

生誕100年記念 映画監督 野村芳太郎

『拝啓天皇陛下様』(7/20〜7/26) 神保町シアター 特集「生誕100年記念 映画監督 野村芳太郎」(7/6〜8/9)で上映 タイトル批判から入って本作を否定した批評を読んだことがあるが、愚かなことと鼻白んだ。主な舞台が戦時中の軍隊だからまったく笑えない物語なのに、観客を笑わせてしまう野村芳太郎監督の演出術に驚かされる。昭和6年(満州事変)から昭和25年(戦後混乱期)までの激動の時代に生きた渥美清演じる山田正助(やましょう)と長門裕之演じる棟元博(ムネさん)との友情の物語。兵隊作家、棟田博の同名小説の映画化で、ムネさんの回想という形でふたりの長年に渡る交流が描かれる。 無学文盲で、「娑婆は不景気、田舎は地獄、軍隊は天国」という主人公のやましょうを渥美清が好演、本作から車寅次郎の演技が生まれたのだと得心できる。笑い、人情、恋愛ありの盛りだくさんだが、社会批判もちゃんと込めている完成度の高いエンタメ映画としておススメしたい。

19/7/18(木)

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