音に敏感な地球外生命体との死闘を描き、2018年に世界的ヒットを記録したSFサバイバル『クワイエット・プレイス』。正直なところ、個人的に1作目はあまり好きではなかったが、続編となる本作は格段に面白い！ ナニコレ、サイコー！ 主軸は前作のラストから続く物語だが、フラッシュバックで描かれる世界が豹変するDAY1（1日目）、これが特筆すべきエモさ！！ 1作目を観て「音を立ててはいけない」という基本ルールをすでに知っている観客は、音に敏感なヤツらとの遭遇に右往左往するスクリーンの中の人間たちを観て、「静かに！！そこ！音立てちゃダメなんだってば！！」とヤキモキしながら、固唾を呑むことになる。 前作より少ない台詞にも関わらず、こんなにもスリリングな作品となったのは、このDAY1の存在あってこそ。それが今作でのDAY474以降の静寂に活きる。 大きなスクリーンで観て欲しいけど、前作同様、主人公たちは音を立てちゃダメ。彼らを襲う「声出さずにいられない級」の苦難に次ぐ苦難、でもダメ、ゼッタイ。それにつられて観客も息を殺す。皮肉にもこのコロナ禍に最も適した作品かもしれない。 前回は“家族”というパーソナルな空間で紡がれた物語が、今作で外界へと拡大するが、それはやがて親元から羽ばたいてゆくだろう子供たちの成長する様子とリンクする。頼りないながらも勇敢で逞しいその様子に、誰もが希望を抱くだろう。

21/6/10(木)