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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ブリング・ミー・ホーム 尋ね人

撮影現場ツアーもあったドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のトップスター、イ・ヨンエ様。14年もスクリーンから姿を消していたなんてと思うと感慨深いものもありますが、美しいだけじゃない、歳を重ねたなりの苦悩と葛藤を全身で体現する大女優としての風格を見せつけられました。しかもテーマが“子供の失踪”という社会問題。 韓国でも子供の失踪事件は多く、映画的記憶で言うなれば実話の映画化となった『カエル少年失踪殺人事件』が真っ先に頭に浮かびます。 愛する我が子が突如、姿を消してしまい、夫と共に行方を捜し続けるまさに血と汗と涙の脚本。そこにはただのお涙頂戴ではない、金銭が絡んだ人間の欲深さや、子供の悪戯心が招く残酷な結果や、貧困問題、そして子供を物として扱う大人たちの存在までも描かれております。 メロドラマではない、社会問題をえぐるように見せていくストーリーラインと、子役はもちろん、登場人物全員に目が行ってしまうさりげなくクセのある演技をする俳優陣のお見事なこと! 子は“宝”と言うけれど、子供を“宝”のように愛する大人もいれば、子供を稼ぎ手とみなす大人もいる。そして、愛情とは血の繋がりだけでは言い表せないことも描いていることから、社会的メッセージを込めて、この映画が作られているんだと認識するのであります。

20/9/14(月)

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