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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

歌舞伎座『八月花形歌舞伎』

【第四部】『与話情浮名横櫛 源氏店』 鎌倉雪の下の源氏店の和泉屋多左衛門の妾宅。湯上りのお富が化粧をしている。番頭の藤八がしつこくつきまとっているところへ、小遣いをたかりに蝙蝠の安五郎と与三郎がやってくる。この与三郎、かつては伊豆屋の若旦那として元芸者のお富と密会を重ねていた仲だ。だがお富の旦那にばれてしまい、与三郎は瀕死の状態に。お富は多左衛門に救われる。だが与三郎は、お富が自分を裏切ったと思い込み、そこへ運命の再会。「しがねえ恋の情けが仇」というセリフが聞きどころだ。ただし感染防止のため、一部演出等変わる場合もある。 与三郎役に松本幸四郎。お富は中村児太郎。 「歌舞伎座が再開するその最初の一カ月目です。責任の重い一座になります。安心安全な環境の中でまたお芝居できる幸せをかみしめながら、堂々と、存分につとめ切りたい」と幸四郎さん。 また与三郎の衣裳について、「新しくあつらえたものも良いですが、昔のものならではの色褪せた良さがあります。初役の時に着用した古い衣裳の褪せ具合が素敵で、二度目に演じる時、新しい着物に青や紺を十何色も使って再現してもらいました」。今回もその衣裳でつとめる。色味や柄、くたびれた感じの趣が、その与三郎という人物像や彼のこれまでの人生を、一目でダイレクトに伝えることもある。 「この衣裳は宝物です。風合いや色やにおい繊細な部分は、劇場に来ていただいて生の舞台を見ていただかなければ伝わりません。映像配信なら見ていただきたいところをナビすることができる。でも舞台にはナビがない、見たいところを自由に見ていただける。それが生の舞台の面白さだと思います」

20/7/21(火)

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