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落語を中心に、講談、浪曲など演芸を長く担当。著書、編著も多数。
長井 好弘
演芸ジャーナリスト、読売新聞編集委員
第73回 講談かぶら矢会
20/6/29(月)
国立演芸場
「釈界存亡の危機 我々が先陣を切らずになんとするの思いでございます」——。演芸情報誌「東京かわら版」6月号に掲載された当会の広告の文章が、決意表明のように聞こえる。当会は1994年、琴梅、琴桜、琴柳など、名前に“”琴”の字がつく宝井馬琴一門の勉強会としてスタートした老舗の講談会。発足時の中堅真打は年輪を重ねて、押しも押されもせぬ本格派のベテランとして講談会に影響力をもつようになった。そんな重鎮たちが、コロナ感染による自粛で満足に会を開けない状況を打開しようと、立ち上がってくれた。古典、新作、世話、軍談とバラエティあふれる演目が並ぶ中、老練な強者達に混じっての、若手有望真打・琴鶴の奮闘も楽しみだ。
20/6/6(土)