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日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

Pカンパニー『√ルート』~シリーズ罪と罰 CASE7~

Pカンパニーの公演に「シリーズ罪と罰」と題して、“罪と罰”をキーワードに注目の劇作家に書き下ろしてもらう企画があるそうで、こちらはその第7弾。で、今回依頼を受けたのが文学座所属の女優であり、自身の主宰する演劇ユニットRing-Bongでも作家、女優として活動の場を広げている山谷典子さんです。私はRing-Bongを始めとする山谷さんの作品をほぼ見続けていることもあって、この公演におっ!?と食指が動いたわけで。 もともとジャーナリスト志望だったという山谷さんは、社会問題や歴史に着目して戯曲テーマを掲げ、テーマ周辺の事象を徹底リサーチして書き上げるスタイルの作家さん。でもその作風は決して堅苦しいものではなく、その出来事に向き合う人々の心の揺らぎを深く見つめ、丁寧に紡ぎ出す筆力に惹きつけられます。今回の『√ルート』の焦点は、学校における“罪と罰”。都内のある公立小学校を舞台に、教科化された“道徳”の公開授業を巡って、教師たちの“道徳”教育に対する考え方の違いが浮き彫りになり……。山谷さんが“道徳の教科化”をテーマに掲げたのは、まだ幼い息子さんがいずれ手にするであろう教科書に、いったい何が書かれているのか!? が気になったからだそう。作者自身が危機感を持って描き出したこの作品、多くの人にとっても看過できない問題を孕んでいそうな気がします。

19/9/4(水)

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