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水先案内人のおすすめ

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立川 直樹

1949年生まれ プロデューサー、ディレクター

【緊急事態宣言中休館】あやしい絵展

エッセイでも書いたが、東京国立近代美術館で5月16日まで開催されている『あやしい絵展』は本当に魅力的な展覧会だ。一般的な日本美術の枠に収めることのできない退廃的で、妖艶、エロティックな要素を持つ作品群を大きくは3章に分け、「花開く個性とうずまく欲望のあらわれ(明治~大正)」と題された2章は「愛そして苦悩──心の内をうたう」、「神話への憧れ」、「異界との境で」、「表面的な「美」への抵抗」、「一途と狂気」とさらに5つに分類されているが、鏑木清方、橘小夢、鰭崎英朋といった画家たちが泉鏡花や谷崎潤一郎といった作家のために書いた口絵から言葉では形容し難いダークな甲斐庄楠や秦テルヲ…といった大正デカダンスの極致ともいえる画家たちの作品の中を歩いていくと、本当に異界へと連れていかれそうになる。 タイトルは少し狙い過ぎの気もするが、中味は本物、鑑賞するに値する展覧会である。

21/4/11(日)

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