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水先案内人のおすすめ

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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

水俣曼荼羅

「第1部 病像論を糾す」「第2部 時の堆積」「第3部 悶え神」の3部構成で計6時間12分。長時間の上映作品が増え、慣れてきたとはいえ、さすがにひるむが、恐れることなかれ。一気に見ることができた。映画の時間は要は内容に見合うかどうかということを思い知らされる。70分の映画でも、体感時間が3時間を越えるものもあれば、逆もまた真なりで、『水俣曼荼羅』は、むしろ短いのだ。 原監督の初期作品は、異様な対象に迫る変形した“劇映画”に見え、世評に反して違和感を覚えていたが、前作『れいわ一揆』(19)に続き、対象への絶妙な距離のとり方が、ドキュメンタリーの本気の程を見せ、感動させられる。20年近い過程があればこそ、熊本県や環境省の理不尽としか言いようがない対応に第三者から見ても憤りを覚え、そう感じさせる作品のあり方に共感することができた。

21/11/23(火)

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