Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

聖なる犯罪者

少年院から仮出所した青年が、小さな村で神父になりすまし、またたく間に村人たちの尊敬を得る。神を信じる彼は不運に見舞われた善人か、それとも善人のふりをした悪魔なのか。 ポーランドの実話を元にした本作は、人間には二面性があるのだということを、きりきりとした緊張感で描き出す。主人公に扮するバルトシュ・ビィエレニアの、人を射抜くような鋭い眼光とミステリアスなカリスマ性は、観る者に安易な解釈を許さず、一瞬たりとも気が抜けない。 おそらくはこの青年自身、神父になりすますなかで、傷ついた者への慈悲や彼らを救いたいという欲求が芽生えたことだろう。それは自分への救済の行為でもあり、さらに“善行をしている”というカタルシスを与えてもくれるものだから。もちろんそれ自体は罪ではない。人々を欺いているということを除いては。 ドストエフスキーのような究極の問いを突きつける作品だ。

21/1/14(木)

アプリで読む