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三鷹市芸術文化センターで、演劇・落語・映画・狂言公演の企画運営に従事しています

森元 隆樹

(公財)三鷹市スポーツと文化財団 副主幹/演劇企画員

モダンスイマーズ結成20周年記念公演『ビューティフルワールド』

池袋にある専門学校〈舞台芸術学院〉の卒業生を母体に、1999年1月に旗揚げした「モダンスイマーズ」が20周年を迎える。良し悪しは別として、近年は「作・演出家の1人劇団」も多いが、20周年を迎える「モダンスイマーズ」は、旗揚げ時から主宰を務める西條義将を始め、一貫して作・演出を担う蓬莱竜太、そして味のある役者として存在感を増す古山憲太郎、津村知与支、小椋毅など、『劇団』として結束し進化し続けているイメージが強い。その「モダンスイマーズ」の20周年を記念する『ビューティフルワールド』の幕が開く。 <<<>>> 純愛。 中年オタクと愛されない主婦の純愛。 セカイの端っこでお互いを必要とし合った二人の純愛。 純愛、なのか。 生まれてから何をやっても冴えない男がいた。もう40を越えていた。彼女もいない。仕事がデキるわけでもない。友達もいない。家では専らゲーム。アニメ鑑賞。このまま人生が終わり死んでいくのだろう。そう思っていた。 長年連れ添った夫から全く愛されていない妻がいた。日常から謂れのない言葉をぶつけられる。これは世にいうモラハラ、パワハラというやつではないか。言葉のDVではないか。いや、実際小突かれたりするときもある。DVだ。私は全く愛されていない。娘も私を馬鹿にしている。このまま人生が終わり死んでいくのだろう。そう思っていた。 二人は職場が同じだった。そこは女の夫が経営している職場だった。休憩の時に少し話すくらいの関係だ。次第に少しずつ関係を深めていく二人。 女は家を飛び出し、男の部屋で住むようになる。セカイの片隅で寄り添うように暮らしていく二人。純愛。 この二人のセカイに何が残るのか。 <<<>>> 20周年を迎える「モダンスイマーズ」が選んだ題材は「純愛」。 しかも極めてミクロな、閉じこもりがちの一室を小宇宙として描く「純愛」。 役者たちを信頼して綴る蓬莱の筆に、その意を得た役者たちが大胆にして繊細な演技を見せる20周年記念公演『ビューティフルワールド』。見逃せない。

19/6/2(日)

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