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浦島茂世
美術ライター
舟越 桂 私の中にある泉
20/12/5(土)~21/1/31(日)
渋谷区立松濤美術館
現代日本を代表する彫刻家、舟越桂の1980年代から現代に至るまでの彫刻作品を中心に、足跡をたどる展覧会。 父親で彫刻家の舟越保武の影響を受け、自身も彫刻家となった彼は、20代はじめに函館の修道院から聖母子像の制作を依頼されたことをきっかけとなり、楠を素材に木彫りの人物像を多く手がけるようになる。彼の作り出す人物像は、ときには体の一部が変形したり、首が長く伸びたりするものの、常に静謐な雰囲気で、凛とした表情は私達の目を強く引きつけるのだ。 そして、本展のもう一つの面白さは建物との調和を感じられること。白井晟一の設計した重厚な美術館のなかでは、彼の作品の魅力がよりいっそう際立ってくるように感じるのだ。彫刻と建物、両方の魅力をたっぷり感じよう。
20/12/3(木)