Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

花椒の味

『客途秋恨〈きゃくとしゅうこん〉』『女人、四十。』などの名作で知られるアン・ホイは、我が“香港映画十大監督”のひとりだ。そのアン・ホイの情報は近年途絶えがちだったが、この11月、彼女がプロデュースした新作『花椒の味』とアン自らが被写体になったドキュメンタリー映画『我が心の香港~映画監督アン・ホイ』の二作がほぼ同時期に公開される。香港映画の魅力を教えてくれた今年74歳になる巨匠の復活は、長年のファンとしては嬉しい限りだ。 先行公開されるのは『花椒の味』。アン・ホイにとっては娘世代に当たるヘイワード・マック監督の才能を認めて自らプロデュースを引き受けた、三姉妹の成長と絆をテーマにした人間ドラマ。 「花椒」は「かしょう」と読み、「中国山椒」のこと。舞台は急逝した父親が営んでいた香港の火鍋料理店。お互いの存在を知らずに父の葬儀で出会った三人の異母姉妹が火鍋店を継ぐことになり、姉妹の絆を感じながら助け合っていくという物語。“飲食”“三姉妹”“父親との確執”などアン・リー監督の1994年作品『恋人たちの食卓』を彷彿させずにはおかない作風が、プロデュースしたアン・ホイらしい。 三姉妹の長女ユーシューには香港のトップスター、サミー・チェン。次女ルージーには台湾の女優メーガン・ライ、三女ルーグオには『芳華-Youth-』のリー・シャオフォンが扮して魅力を発揮している。香港映画ファンにはアンディ・ラウのカメオ出演も嬉しい。

21/10/8(金)

アプリで読む