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水先案内人のおすすめ

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巨匠から新鋭まで、アジア映画のうねり

紀平 重成

1948年生まれ コラムニスト(元毎日新聞記者)

新感染半島 ファイナル・ステージ

コロナウイルス禍の情報が飛び交うこの時期ですから、パンデミック映画と聞けば現在の社会状況と重ね合わせて見る人もいるでしょう。本作は韓国で大ヒットしたゾンビパニックアクション『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後を描いた続編です。 前作同様、ウイルスによって感染が広がっていく展開ですが、首筋を噛まれた感染者が次々とゾンビになっていくところは映画というメディアが想像力をいかんなく刺激することで成り立っているかを示す恒例と言えるでしょう。 そのゾンビに半島は占拠され、亡命者は生きることに懸命。そんな元軍人ジョンソク(カン・ドンウォン)のところに怪しげな儲け話が持ち込まれます。ロックダウンされた半島に大金を積んだトラックが取り残されているのを見つけ出して戻れという話。首尾よく車は見つかりますが周りはゾンビに囲まれ、そこに正気を失った民兵集団も絡んできて大混乱。逃げ遅れていた母子3人家族の助けも借りながら帰還しようとする姿はむしろバイオレンスアクションと言ってもいいくらい。とくにカーアクションは圧巻で、ぜひとも大きい画面でご覧ください。 これでもかと人間の醜悪さを見せつけるパンデミック最中の攻防ですが、ラストで「新しい世界が待ってる」と声をかける救助隊員に、少女が「私がいた世界も悪くなかったです」とつぶやく一言は真実を突いているようで考えさせられます。

20/12/28(月)

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