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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

ディナー・イン・アメリカ

“食卓”は、映画ではしばしば印象的なシーンとして登場する。人物の内面や関係性を表現するのに適した場面設定だからだ。会話や視線、食事の仕草などから、それらが鮮やかに浮かび上がる。個人的には、邦画では『家族ゲーム』、洋画で言えば『ディア・ハンター』などが頭に浮かぶ。 『ディナー・イン・アメリカ』でも、食卓は重要な意味を持ってスクリーンに映し出される。主役の男女2人は、それぞれ仲間や家族からも距離を置かれているような存在。食卓のシーンを通じて、そんな孤独な2人の性格や心の動きが、ひりひりとした感覚を伴って観る者に迫ってくる。 アメリカのとある町で家族と暮らす20歳のパティは、周囲に溶け込めずに鬱屈した思いを抱えながら平凡な日々を送っていた。一番の息抜きは自室でパンクロックを聴くこと。ある日、警察に追われていたサイモンと出会い……。 自己表現が下手なパティ、常に不機嫌でトラブルを誘発してしまうサイモン。パティ役のエミリー・スケッグス、サイモン役のカイル・ガルナーが、この難しいキャラクターを繊細に演じている。パンクのように過激な雰囲気のあるラブストーリーだが、観終わった後はとてもやさしい心持ちになれる。

21/8/6(金)

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