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水先案内人のおすすめ

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セレクト方針はズバリ!「バランス」です

木谷 節子

アートライター

松尾高弘「INTENSITY」

2009年、ミラノサローネで国際的に話題となり、以後、今日にいたるまで、主に都市や商空間で美と光のアートワークを繰り広げてきた松尾高弘(1979-)。光や現象による「INTENSITY=強度」をコンセプトに、彼の3点の作品を公開中だ。中でもその美しさに目を見張ったのは、世界初の技術を使った光と水のインスタレーション《SPECTRA》。暗闇に一点スポットがあたり、水が一直線に落ちたかと思うと、特殊な光を透過した水が、まぶしいほどの光を放ちながら次から次へと降りそそぐ。あたたかみのある光が当たっている箇所もあるためか、見ようによっては金糸と銀糸がチラチラ揺れているような、儚くもゴージャスな作品だ。また《Phenomenon》という映像作品は、光の粒子が有機的に動く様を表現しているが、そのダイナミックな黄金の動きは、鶴が大空を群れ飛ぶ様を描いた俵屋宗達の《鶴図下絵和歌巻》→加山又造《千羽鶴》のさらなる進化形と感じながら鑑賞した。《SPECTRA》の金と銀の世界もそうだが、松尾高弘の作品には、どこか琳派を思わす豪華さや、緻密で繊細な日本工芸のスピリットが感じられる。

20/8/16(日)

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