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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

生誕110年 巨匠・山本薩夫 反骨のヒットメーカー

『傷だらけの山河』(2/18) 新文芸坐「生誕110年 巨匠・山本薩夫 反骨のヒットメーカー」(2/12〜2/19)で上映。 本作の監督である山本薩夫は自伝『私の映画人生』(新日本出版社刊/1984)のなかで、「映画はつねに平和と民主主義を守るという使命をもっている」と述べている。 彼の初期の代表作『戦争と平和』『暴力の街』『真空地帯』はそのテーゼに添っているが、中期の大映映画『忍びの者』(1962年)から娯楽色濃厚な作風に転じていく。 『傷だらけの山河』はその2年後に監督(翌1965年には名作『にっぽん泥棒物語』、翌66年には代表作『白い巨塔』を発表)、後期の『華麗なる一族』『金環蝕』の原点になった作品だ。 山村聰が扮する主人公の有馬勝平は、鉄道、バスなどの交通事業の他、土地開発、ビル建設、デパート経営なども手がける大実業家。妻子がありながらふたりの妾を持つ旺盛な欲望の持ち主で、その毒牙は事務員の福村光子(若尾文子)に向けられる……。 〈ピストル堤〉の異名をもつ西武グループの創設者・堤康次郎(映画とも深く関わった作家の堤清二の父君)をモデルにした石川達三の同名小説の映画化で、山村聰と若尾文子の共演作としては『四十八歳の抵抗』『瘋癲老人日記』『女は二度生まれる』に続く4作目にあたる。 社会派監督として反体制的な題材を扱いながらも娯楽色豊かに仕上げる手腕を初めて発揮した作品として、「生誕110年」を機におススメしたい一本だ。

20/2/15(土)

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