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水先案内人のおすすめ

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生きのいい日本映画を中心に、大人向け外国映画も

平辻 哲也

1968年生まれ 映画ジャーナリスト

ヤクザと家族 The Family

第43回日本アカデミー賞で主要3部門に輝いた藤井道人監督の『新聞記者』だが、個人的には今ひとつだった。松坂桃李演じる官僚の苦悩は伝わってきたものの、新聞社の描写にあまりリアリティーを感じられなかったのだ(これは新聞社出身だからかもしれない)。そのことを監督本人にも伝えると、相当迷いながら描いたことを明かしてくれた。世間的な評価とは別に、本人はもっと描くことができたという思いがあったようだ。 本作は、この『新聞記者』を始め、安藤サクラ主演『かぞくのくに』や菅田将暉主演の『あゝ荒野』など良作を送り出すスターサンズと藤井監督が再タッグを組んだもの。こちらは、“これぞ、藤井監督の集大成”といった出来栄えだ。 変わりゆく時代の中で排除されていく”ヤクザ”という存在を、抗争ではなく家族の目線から描く。ドキュメンタリーでは東海テレビ製作の『ヤクザと憲法』という傑作があったが、そのドラマ版といったイメージもある。 かつての高倉健や菅原文太主演作ではヒロイックに描かれたヤクザの世界だが、1992年、12年に施行された暴力団対策法によって、大きく生活が様変わりしている。銀行口座が作れない、ケータイも持てない、本人だけではなく、家族にヤクザがいると、退職を勧奨される……。ヤクザには生きる価値すらないのか。 1999年、荒れた少年期に地元の親分から手を差し伸べられ、父子の契りを結んだ山本。やがて男をあげて、幹部の一人に。しかし、因縁の敵との抗争の中、昔気質の生き方を貫くが……。綾野剛と舘ひろしが初共演。綾野は初のヤクザ役、『西部警察』『あぶない刑事』の舘は、山本に“家族“という居場所を与えた組長役で43年ぶりにヤクザを演じた。舘の組長役ぶりには、昨年8月に亡くなった渡哲也さんの姿を思い起こさせる。この男同士の物語に、尾野真千子、寺島しのぶといったベテラン女優が深みを加える。男性映画とは思わず、女性もぜひ!

21/1/29(金)

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