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桐山漣の「月刊キリヤマガジン」

大好きな車の話 男の趣味、あまり興味ないですか?(笑)

不定期連載

第10回

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今回、こうしてクルーザーを運転しているところをみなさんに見てもらいましたが、船に興味を持ったのも、ルーツを辿っていくと、そもそも乗り物が好きなんですよね。

F1の話もしたけど、車は乗るのも見るのも大好き。特に好きなのは、古いアメ車です。なんというか、ヴィンテージが好きなんですよね。

それこそ古着が好きで、ヴィンテージの世界へ踏み込む入口になったのは、コンバース。チャックステイラーというモデルがあって、それが好きだったんです。

ぜひ知らない方は検索してみてください。現行のオールスターとはちょっとつくりが違うんですよ。しかも、当時のモデルはアメリカで製造されていたから、メイドインジャパンのものと比べると、ちょっと雑で。でも、それが味になっていたというか。かつて世の中を熱狂させたものに時を経て出会う感動とか、一点物ならではの愛着とか、そういう古着ならではの世界にどんどん惹かれて、ヴィンテージに興味を持つようになりました。

と言っても、まだバイトをしていたような若い頃はお金がなくて。よく利用していたのは、サンキューマート。いわゆるジャンク品みたいなものがいろいろ置いてあって、全部390円なんですよ。トップスからボトムスまで全身フルで揃えても1000円ちょっと。そこでいろいろ掘り出し物を見つけてくるのが楽しくて、よくあれこれ合わせていましたね。

中でも、ちょっと昔のアメリカカルチャーがどストライクで。で、自然と車も年代物のアメ車に惹かれるようになったという感じかな。

初めて買った車は、1963年式のフォルクスワーゲンのビートル。これがまた手のかかる車で、エアコンもないから車内は暑くて、よく汗をかきながら運転していました(笑)。

今の車ってパワーステアリングと言って、力のない人でもハンドルを回しやすい設計になってるんだけど、昔の車だから当然そんな装備もなくて。駐車のときの切り返しも、力任せで回すっていう感じで。そもそもミッションだから、渋滞にハマるとクラッチ操作のせいで左足が攣りそうになるくらいキツいんです。今だから言えるけど、完全に若気の至りで買った車でした(笑)。

それでも確か5年くらいは乗っていたのかな。ただ、自分の年齢のことも考えて、もうちょっと快適なやつにしようと思って、5年前くらいに乗り換えました。今は、1980年代後半のクラシックカーに乗っています。

今の車ってシートの背もたれが結構硬かったりすると思うんですけど、当時のアメ車はソファみたいになってて、しかも前方の座席がベンチシートになってるんですよ。あと、今の車はシフトレバーって運転席の横にあると思うんですけど、今、僕が乗っている車はコラムシフトと言って、レバーがハンドルの脇についている。そこもなんか好きで。

たぶん人と違うものに惹かれるんでしょうね。だから、街で運転していると結構目立つんですけど、それはそれでちょっと気分がいいところもあって(笑)。よく僕の車を見て、海外の観光客の方がサムズアップをしてくれるんで、僕もサムズアップを返しています。

車をカスタムするのも好きです。それこそ今の車もフロント周りをいろいろ自分好みに改造したりして、これがまた楽しいんです。こうやって話していると、みんなが持っているのと同じものじゃ嫌だ、みたいなこだわりは強い人間なのかもしれないな、と思います。

もしかしたら女の人はこういう男の趣味みたいなのはよくわからないかもしれないけど(笑)。こういう世界もあるんだと思って温かい目で見守ってくれるとうれしいです。

それでは、また次回。

プロフィール

桐山漣(きりやま・れん)

2013年に韓国『ソウルドラマアワード2013』ネチズン人気賞(JAPAN俳優部門1位)受賞。
主な出演作は、映画『群青色の、とおり道』(佐々部清監督)『新宿スワンII』(園子温監督)『曇天に笑う』(本広克行監督)『貞子』(中田秀夫監督)をはじめ、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(NTV)、『これは経費で落ちません!』『いいね!光源氏くん』『おじさんはカワイイものがお好き。』『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ/NTV系)キラ役でネットを騒がせる。以降、『白い濁流』(NHK-BS)、『おいハンサム!!』(CX)・『カナカナ』(NHK)CX『テッパチ!』など幅広い役を演じ分ける。

撮影/友野雄、取材・文/横川良明、ヘアメイク/江夏智也