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立川直樹のエンタテインメント探偵

勅使川原三郎の最新作『失われた線を求めて』は言葉では表現しきれないオーラを発していた。杉本博司『OPERA HOUSE』など写真展を多く見た月でもあった。

毎月連載

第88回

drawing by Saburo Teshigawara

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今年の7月、ベネチアで開催されたビエンナーレ・ダンスで「勇敢にして非凡、人間味あふれスリリング」と讃えられ、金獅子功労賞を授与された勅使川原三郎の最新作『失われた線を求めて』を10月7日に両国のシアターXで見た。10月の終わりには松任谷由実などとともに文化功労賞を受賞したことも喜ぶべきことだが、世界に評価された独自のダンス・メソッドは“ドローイングダンス”と銘打たれた新作でも言葉では表現しきれないオーラを発していた。そして、真の魅力を持った作品というのは余り言葉を必要とせずに人の心を打つものかもしれないと思う。