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iKON、THE BOYZ、AB6IX、PENTAGON……“カムバックラッシュ”から良作をピックアップ

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 2月のK-POPシーンは怒涛のカムバックラッシュだった。世間的に注目度が高かったのは2月20日にカムバックしたBTSだったが、この他にも良作を携えてカムバックするグループが多かった。その中には、所属事務所のSource MusicがBigHitエンターテインメント(BTSの所属事務所)に買収後初のカムバックになったGFRIENDや、『PRODUCE』シリーズの不正投票疑惑で活動休止になっていたIZ*ONEの復活など、注目グループも。今回はラッシュに沸いた2月のカムバックから、iKON、THE BOYZ、AB6IX、PENTAGONを取り上げてみたい。

(関連:iKONからリーダー B.Iが脱退 中心メンバーとしての功績と音楽的才能を振り返る

■B.Iによる楽曲も収録 iKON『i DECIDE』

 メンバー・B.Iの脱退後、初となったアルバム『i DECIDE』をリリースしたiKON。今回のアルバムにはB.Iが手がけた曲が収録されていることが話題になった。このアルバムは当初は2019年中期にはリリースされる予定だったというが、所属事務所のYGエンターテインメントは「昨年半ばにチームのリーダーであり、プロデューサーの役割を務めていたB.Iが脱退し、新曲発表が無期限で延期された。弊社は2019年初めに完成した制作物をどう活用するかについて、内部的に慎重な悩みを重ねてきた」と公式で発表している。

 今作にはB.Iの作品は収録されているが、彼の声は収録されておらず、「B.Iが担当したラップパートは全て削除し録音し直した」とのこと。グループの音楽の要の一人であったB.Iを欠いたiKONがどのように復活するのかが注目されていたが、アルバム自体には彼の“残り香”が漂っている形になった。

 タイトル曲である「Dive」はラテン調のリズムが印象的な曲だ。ハーモニカのイントロから始まり、ポップでわかりやすいメロディで進行していく。この曲のクレジットにはB.Iの名前が記されている。今回の新曲でも“iKONらしさ”は健在だ。らしさを生かしながら、新たな基軸を模索していってほしい。

■色とりどりの世界を見せるTHE BOYZ『REVEAL』

 2017年のデビュー以来、楽曲に恵まれてきたTHE BOYZは、初のフルアルバム『REVEAL』でカムバックした。昨年5月には「Bloom Bloom」で音楽番組での1位も獲得し、確実にステップアップをしてきた。

 デビュー当時はどこか幼さが残っていたTHE BOYZも2年の月日が流れ、大人っぽい表現を取り入れるようになってきた。1位獲得やワールドツアーを経て出来上がったアルバムでは、2年で培ってきた色とりどりのTHE BOYZの世界を見せてくれている。タイトル「REVEAL」には、“THE BOYZの本当(REAL)の姿を暴く(REVEAL)”という意味が込められている。

 タイトル曲の「REVEAL」はプログレッシブハウスベースのポップR&Bサウンドに仕上がっており、MVは“Wolfmoon”(月の光に照らされた狼、1年で最初の満月)というコンセプトの元、グループの二面性を示したほか、薄暗いセットの中でメンバー各自のの魅力を思う存分発揮している。幻想的な映像でTHE BOYZの世界に引きこまれてしまう。

■メンバーそれぞれのソロ曲を収録したAB6IX『5NALLY』

 Wanna One出身のメンバー、パク・ウジン、イ・デフィが所属するAB6IX。ヒップホップレーベルである<BRANDNEW MUSIC>が手がけた初のボーイズグループだ。自らプロデュースし楽曲を手がける“自作曲ドル”でもある。デビューして1年にもかかわらず、すでにワールドツアーも決まっており、これからの活躍が期待されるところだ。

 2月13日にリリースしたデジタルEP『5NALLY』は、AB6IXのメンバーそれぞれのソロ曲を収録した今までとは違う形態だ。グループ名義でリリースながらも、中身はソロ曲というのは珍しい。ファンにとっては各自の魅力を楽しめる、サプライズ的な作品にはなっただろう。

 各自のMVは3月12日まで約1カ月をかけて徐々に公開されていくことになっている。リリース後にMVが公開されるという形も異例だ。すでにメンバー、ジョンウンの「MOONDANCE」とキム・ドンヒョンの「MORE」、イ・デフィの「ROSE, SCENT, KISS」が公開されている。「MORE」はピンクのスーツを着たドンヒョンが大人っぽく歌い、踊り、ラップを披露。それぞれがソロで通用する才能を持っているのがAB6IXの魅力なのかもしれない。

■“愛の束縛”テーマのリード曲に注目、PENTAGON『UNIVERSE : THE BLACK HALL』

 2020年に入り、今年でデビュー5年目を迎えるPENTAGON。2月18日に満を持してリリースされた初フルアルバム『UNIVERSE : THE BLACK HALL』は、自分たちのファンダム名(UNIVERSE)をタイトルにした。2016年に『PENTAGON』でデビューした彼らの集大成となり、日本でリリースされた「HAPPINESS」の韓国語バージョンなどのスペシャルトラックを含めた、全11曲が収録されている。

 今回のPENTAGONはリード曲「Dr. BeBe」で勝負をしてきた。「SHINE」「Naughty Boy」「Humph!」などのここ数年の明るくポップな彼らとは全く違う、ダークでヘヴィな姿を見せている。彼らの中にもともとあった要素を2年の間に育ませ、ここで大きく爆発させたような気合を感じる作品だ。今回もメンバーであるフイの作品だが、前回の「Humph!」とは全く違う世界観を作り上げる、彼の底知れない作曲才能垣間見ることができる。

 「Dr.BeBe」は“Love, Fall, Hurt & Crazy(愛して、落ちて、傷ついて、そして狂う)”の4つの感情から成り立つ、“愛の束縛”がテーマになっており、MVには愛の感情により傷つき狂っていく様が描かれている。狂気すら感じる姿は、「SHINE」で見せた可愛らしさとは正反対だ。彼らの魅力はこの大きなギャップだろう。彼らにしか表現できない、愛に溺れて狂っていくPENTAGONの姿を、この「Dr.BeBe」で発見してほしい。(西門香央里)